レヴォーグのエンジンルームは熱い、と言われていますが、具体的にどれくらい熱いのかが気になる、高井優希です。
夏場などは特に、走行後にボンネットを開けてみるとものすごい熱気ですが、でもそれは180SXでも同じこと。180SXはむしろ、ボンネット自体が熱すぎて素手で触れないくらいになります。
本当に、言われているほど他の車種より熱いのか。個人的にはとても疑問に思っています。
だったら実際に測ってみればイイじゃん!
そんな訳で、レヴォーグのエンジンルームの中がどれくらい熱いのか、実際に測ってみたいと思います。
エンジンルームに設置する温度計
今回、温度を測定するきっかけがもうひとつ。
先日bradoのむき出しエアクリに交換したのですが、信号待ちからの出足や、猛暑日のドライブで、純正エアクリに比べてパワーダウンしている感じがしていて、その原因がエンジンルーム内の熱気にあるのかな、と。
当然、熱気ムンムンの空気よりも、新鮮な外気(フレッシュエアー)の方がいいのは当たり前。
けど、自分で調べもせず、ネットの知識で「エンジンルーム内に熱気がこもりやすいせいだ!」と決めつけるのも良くないので、じゃあ実際に測ってみたらいいんじゃないか、というのが、そのもうひとつのきっかけです。
話を本題に戻しましょう(笑)
そんな理由もあって、今回は吸気温度に近い温度を測りたいので、エアクリ付近に設置できる温度計を探してみました。温度センサーが本体とは別の位置に設置できるタイプの温度計、ですね。
軽く検索してみてもたくさんのセンサー付き温度計が見つかるのですが、今回選んだのはコレ。
KEYNICEというメーカーの、バックライト付きデジタル温度計。USBで給電できて、測定範囲は-50℃~110℃まで。ただ数字を表示するだけじゃなく、ちょっとメーターっぽいところがイイ!
取り付け作業
注文した翌日には届いていたのですが、平日だったことと、ずっと雨が続いていたので、雨が上がった日を狙って取り付け作業です。
パッケージの中身はこんな感じでした。
裏側はこんな感じ。配線が本体直付けになっています。
配線をエンジンルームから車内に引き込む関係上、できれば直付けじゃない方がよかったけど…どのみちセンサーは延長しないと届かない=配線を切ることになるので、まあいっか(笑)
まずは、先端に温度センサーが付いた配線(写真下側の配線)を、エンジンルームから車内に引き込みます。
配線を引き込むためには、配線ガイドなどを使うと楽。自分はエーモンの「配線ガイド」という黄色い針金のようなものを使っています。
さて、肝心の配線を引き込む場所ですが、ここにあるグロメット(ゴムのフタ)がオススメ。
既にブースト計の配線が通っていますが、このグロメットのから配線を通すと、ちょうど運転席の、左足を置くフットレストの奥の方に出てきます。
グロメットの中央に穴を開けて、そこから配線ガイドを押し込んだところ。配線ガイドのワイヤー部分が見えていますね。グロメットの穴から、斜め上に押し込むと通しやすいです。
グロメット側はこんな感じ。
さて、後は温度センサーをエンジンルームに通せばいいのですが、このデジタル温度計は温度センサーの配線が1mしかないのでとても足りません。ですので、延長用にこんな配線を用意しました。
スピーカー用の配線です。そもそも温度センサーの配線は非常に細いものを使用しているので、スピーカー用の配線でも容量としては十分。
先にこの延長用配線をグロメットに通しておきます。車内に押し込んだ配線ガイドのワイヤー部分に延長用配線をしばりつけて、エンジンルーム側から引っ張ればOK。
温度センサーの配線を切断すると、配線の中に2本の配線が通っていることがわかります。外側の被覆を剥くと、2本の細い配線が出てくるので、この配線と延長用の配線をつなぎます。
本来はギボシ端子なり平型端子なりで接続するか、配線をハンダで処理した方がいいのでしょうが、とりあえず今回はこのまま絶縁テープでぐるぐる巻きにしておきます。
それでは、温度センサーを設置します。吸気温度に近い温度を測定したいので、温度センサーはできるだけエアクリに近い場所に取り付けます。ちょうどいいところにブースト計のセンサーがあったので、ここに巻きつけてしまおう。
これでエンジンルーム内はOK。車内側も同じように、温度センサー用配線と延長用配線をつなぎ、本体を見やすい場所に固定します。この辺が良いかな。
最後に、余った配線をまとめ、USBケーブルを接続すれば、作業完了です。
動作確認と温度測定
それでは動作確認です。と言っても、エンジンをかけるだけ。
気温は、車の外気温時計で26℃だったので、だいたい合っていますね。このまま2~3分アイドリングしてみましたが、風が強い日だったせいか、あまり変化はありませんでした。
走らせた後の温度も測りたいので、ちょっと買い物がてら出掛けてみます。坂道の多い道をブーストをかけながら5kmほど走行した後、駐車場に車を停めて1分ほどアイドリングした後がこんな感じ。
外気温+10℃くらい。思っていたほど熱くなりませんね。
移動中もちょこちょこ温度を確認してみましたが、赤信号などで停止すると温度が上がっていきます。しかし、走行中はエアクリの元にきちんと外気が入っているようで、走行し始めるとぐんぐん温度が下がっていき、だいたい外気温+2~3℃くらいまで下がっていました。
エアクリに付属してきた遮熱版の効果が出ているのもあると思いますが、それを加味しても、言われるほどエンジンルームが熱いわけでもなさそう?
とは言え、この日は完全に曇り空で陽が出ていなかったので、カンカン照りの日だとまた違った結果が出そうです。あとは、エアコンのON/OFFでも差が出てくるかな。
さいごに
ということで、レヴォーグのエンジンルームに温度計…というか温度センサーを設置し、リアルタイムで温度を測定できるようにしてみました。
測定が曇りの日だったので、思っていたほど熱くはありませんでした。今度はカンカン照りの日に、追加測定してみたいと思います。
そして、この温度が他のクルマと比べてどうなのか、という部分も気になります。同じデジタル温度計をもう1個注文したので、近いうちに180SXでもエンジンルームの温度を測ってみたいと思います。
※その後、180SXでも測ってみました。詳しくは以下の記事で。
今年の夏はもう終わってしまうので、猛暑日での測定ができそうになくて残念です。来年の夏、カンカン照りの猛暑日に測定するための準備ができた!ということにしておきましょう(笑)
追記:カンカン照りの日に測定
この記事をアップしてから数日後の休日、真夏の猛暑とまではいかないものの、猛暑日一歩手前のカンカン照りの日がやってきましたので、温度測定をしてきました。
レヴォーグの外気温時計で34℃。快晴で、風はほとんど感じられず、たまにそよ風が吹く程度。絶好の測定日和ですね(笑)
さっそく測定開始です。
エンジン始動直後
日向の青空駐車場で、まずはエンジン始動直後の温度を測定してみます。
なんと外気温より低い、33.3℃。ボディカラーが白だから、というのもあるかな。
ちなみに、別の日(35℃の猛暑日)に180SXでも測定していたのですが、ボンネット~ルーフが黒い180SXのエンジン始動直後で33.5℃。ボディ表面はともかく、エンジンルーム内に関しては、ボディカラーの影響は少ないかも?
幹線道路を走行中
幹線道路を50~60km/hで走行していると、よく冷えてくれるようです。外気温34℃に対して、エアクリ付近の温度の下限は35.4℃。大ざっぱに考えても、外気温+2℃くらいまでは下がる、ということかな。
走行中なので、助手席から撮影してもらいました。
信号待ちなどで停車してしまうと、一気に温度が上がっていきます。毎秒0.2℃くらいずつ上がっていく感じ。最大で55.5℃まで上がりました。
どんなに長く停車していても、この温度を上回ることはなかったので、エンジンをぶん回したり、ブーストを掛けまくるような運転さえしなければ、外気温+22℃くらいが頭打ちかなぁ。
急勾配の山道を走行中
平地を安定的に走行していれば、ほぼ40℃以下をキープしていますが、勾配がある山道をのぼっていくときはどうでしょう。
インテリジェントモード(Iモード)で、フルブーストに近い状態が長く続くような山間部の道で測定してみました。
こちらも助手席から撮影してもらいました。
ブーストを掛け続けていると、みるみる温度が上がっていきます。エンジン本体の熱だけでなく、タービンからの熱もかなりあると思いますので、上りが延々と続くような道だと、まだまだ上がる可能性がありそう。
ちなみに、計測中の最大温度がこの58.4℃でした。
走り終えてアフターアイドル中
家に帰り、駐車場に停めてサンシェードを広げているうちに、この日の最大温度を計測しました。
撮影しようと思ったら59.1℃になってしまいましたが、サンシェードを広げている間に、この日最高の59.6℃まで上がりました。
ただ、59.6℃になったのはほんの一瞬で、そこから58℃くらいまでゆっくり下がっていったので、ギリギリ60℃までは行かない感じですね。
計測してみてのまとめ
とりあえず個人的な解釈として。
bradoハイパーチャンバーに同梱されている遮熱版をしっかり取り付けていれば、遮熱効果は十分にありそうなこと。
ゼロスポーツのクールエアインテークをつけているせいか、走行中は外気がしっかりと入ってきているんじゃないかということ。
そんな訳で、エアクリをbradoハイパーチャンバーに交換しても、遮熱版をつけて、さらにクールエアインテークもつければ、吸気温度に関してはそこまで問題にはならないんじゃないかと思えました。
ただし、ここまで計測した温度は、あくまで遮熱版をつけた状態でのエアクリ付近の温度であって、エンジンルーム全体の温度ではないので、お間違いなく。
あとは停車中の温度の上がり方を何とかしたいですが、こればかりはどうしようもないかなぁ。
とは言え、入ってきた空気が抜ける場所をしっかり作ってあげれば、少なくとも、走行しはじめたらすぐに温度が下がるようにはできるかもしれない。
その辺の対策は既に準備してあるので、後日試してみたいと思います。
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