安物買いの銭失いになってしまった、高井優希です。
半年ほど前に、運転席側のシートを、車両購入時から付いていたエムツー販売のDT-Sportから、後期純正シートに交換しました。理由は、乗り降りが大変だったから。
その後、純正シートは座面が高いので、一旦はDT-Sportに交換しなおしましたが、シートレールのスライド部分がきちんと固定されなくなってしまったので、結局また後期純正シートに戻していたのです。
しかし、某オークションでわずか5,000円で落札した純正シートには、大きな欠点があったのでした。
運転中にシートベルトがバックルごと外れた
シート自体は年式の割には綺麗で、座面もフカフカしていて満足していたのですが、ひとつ大きな欠点がありました。なんと、シートベルトバックルを固定するボルト穴がバカになっていたのです。
シート交換時は、ボルトを締め込めていたので安心していたのですが、ある日の運転中、突然バックルごとシートベルトが外れたのです。一瞬パニック状態!
幸い広い道だったので、すぐに路肩にクルマを停めて、ボルトを手でねじ込めるだけねじ込んでバックルを固定しようとしたのですが、ねじ込まなくてもボルト穴の奥までボルトが入ってしまい、引っ張ればそのまま抜けて、出し入れが非常にスムーズな状態。
路肩でシートを外して確認する訳にもいかず、とりあえずボルトを入れて、ボルトとセンターコンソールの隙間に丸めた軍手を押し込んで、バックルが簡単には外れないように仮固定。その状態でソロリソロリと運転して帰宅しました。
帰宅後、シートを外してバックルを再固定しようとしたところ、当然今まで使用していたボルトでは固定できず。一回り太いボルトで試してみましたが、かろうじてネジの溝が引っ掛かりはするものの、ちょっと引っ張ればボルトが抜けてしまう状態。でも、もう一回り太いボルトだと、今度はボルト穴に入らない。
どうやら、シート交換の際にボルトが少し斜めに入っていて、ギリギリ固定されていたようです。
綺麗なシートなのに、他の出品に比べて安かった理由が、今ようやくわかったような気がする。
命には代えられないので新品を
もしものときに、シートベルトが何の役にも立たないのでは困る。命には代えられないので、思い切って新品のシートに交換することにしました。
とは言え、年末年始でいろいろ出費がある中だったので、本命のレカロには手を出せず。今回は、比較的安価ですが定評のあるスパルコのチューニングシートから、ブルーラインのR100にしてみました。
シートレールは、R100に対応した15mmローポジションとなる、ジュラン(JURAN)のSC2タイプ。シートベルトバックルの固定ステーがシートスライドと一緒に動いてくれるので、シートベルトの脱着がしやすいのがイイですね!
R100は最近車検対応になりましたが、シートレールが指定品(同じメーカー)ではないので、もしかしたら車検には不適合かも。保安基準には適合している製品なので大丈夫かもしれませんが、もしダメだったときのことを考えて、純正シートは残しておきます。ボルト穴については後で考えることにして。
シートの交換作業
では早速、シートの交換作業ですが、車両についているシートの取り外しや取り付けに関しては、別の記事に写真付きで載せていますので、以下の記事へどうぞ。
シートを交換する前に、ジュランのシートレールをスパルコのシートに取り付けます。シートの底面に4ヶ所のボルト穴があるので確認しましょう。
このボルト穴にシートレールを合わせ、4ヶ所をボルトで固定します。
ちなみに、スパルコのシートにも、ジュランのシートレールにも、シート固定用のボルトは付属していませんので、自分で用意する必要があります。(シートレールには1本だけ六角タイプのM8ボルトが付属していますが、このときは気付いていませんでした(笑))
ボルトはM8を使いますが、一般的なボルトではなく、クルマ用など強度の高いものを使用しましょう。頭のサイズ(レンチのサイズ)は13mmです。
続いて、シートレールに、シートベルトバックルを固定するためのステーがついているので、ここにシートベルトバックルを付属の頭が薄いタイプのボルトで固定します。
後は、車両に固定すれば作業終了です。取り付けた状態がこちら!
ステアリングもサイドブレーキカバーも黒/青なので、なんとなく統一感が出たような気がする!
でも、このままではシートのスライドが完全にはできませんでした。そう、シートを固定するボルトのうちひとつは、シートレールに付属してきた頭が平たい六角タイプのものを使わなければいけないことに気付かなかったので。
シートを車両に取り付けた状態でフロント側の左(2つ上の写真では右上)の位置を固定するボルトは、1本だけシートレールに付属されているM8ボルトを使用するのが正しい取り付け方のようです。
いざ試乗してみたら
ということで、運転席側のシートをスパルコのR100に交換してみました。が、15mmローポジションになると謳われているシートレールを使っても、残念ながら座面はだいぶ上がりました。正確に言うと、シートを後ろに下げれば下げるほど座面が下がりますが、自分が常用するポジションでは、天井に頭が当たりそうなくらい座面が上がっています。
S13系はローポジション化が難しいため、シートレールをリア下がりにして、何とかローポジション化させているという状況。それが仇となり、シートを前に出せば出すほど、逆に座面が上がってしまうという。
さらに、R100は太ももが乗る位置が盛り上がっているため、他のシートに比べ、ペダルに足が届きにくい。足が届きにくいから、シートをさらに前に出す。しかし、シートを前に出すと座面が上がる、という悪循環な問題に直面し、自分の体格では正直使い物になりませんでした。
しかし、せっかく買ったものなので、何とか使いたい。座面が高くて使い物にならないなら、座面を低くすればいい。
そう、禁断のアンコ抜きにチャレンジです!失敗すれば新品R100がゴミになってしまう可能性がありますので、完全に自己責任の世界ですよ!
新品のシートをばらす
座面部分を外すため、シートをひっくり返し、底面を固定している留め金を外します。
このような金具で、上部が3ヶ所、下部が3ヶ所固定されています。ラジオペンチなどで金具を広げて合計6ヶ所外せば、シートの座面部分が外れます。
座面のカバーを外すとウレタンっぽい素材が出てきますが、これを削るのが「アンコ抜き」です。もともとはバイク用語かな?中身を削って抜くことを、タイ焼きの中身(アンコ)を抜くことになぞらえて、アンコ抜きと呼んだ…のでしょうか。由来はわかりません。
自分は削るための道具を持っていないので、中身を削るのではなく、別のものに入れ替えます。
シートの前側には骨組みとなるバーがあるので、ここには緩衝材とタオルを巻きます。太ももが当たる位置なので、少しでもクッション性がないと、運転が辛くなりそうなので。
そして座面部分には、デスクチェアで使っていた正方形の座布団を敷きます。長いこと使用している座布団なので、擦り切れてボロボロですが、どうせ隠れてしまうので問題なし!
あとは、座面のカバーを上から被せて、形を整えて固定。座ってみて、違和感のある部分を微調整していけばOKです。
自分は、骨組みのバーの部分のクッション性がもう少し欲しかったので、ハンドタオルを2枚追加しました。
以上の作業で、座面が4〜5cmほど下がりました。そして、座面が下がったことで、シートのサイドサポートがより主張するようになりました。若干ですが、ホールド感UP!
さいごに
ということで、そのままではとても使い物にならないほど座面が上がってしまったスパルコのR100でしたが、アンコ抜きしたことで座面は純正より下がり、さらにホールド感がアップし、座り心地も運転のしやすさも良くなりました。
座った感じの柔らかさや着座感は、エムツー販売のDT-Sportにだいぶ近付いたように思います。もちろん、DT-Sportの方がホールド感はずっと上ですけどね。
ともあれ、せっかく買ったR100が無駄にならなくて良かった〜。
R100は、価格が安いことと、デザインがいいのでオススメなのですが、もし座面問題が起きてしまったら、こんな感じでアンコ抜き(アンコ換え?)してみるのもイイかもしれませんよ!
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