bradoのエアクリに交換してからというもの、エンジンルーム内の温度が気になり、導風や冷却を何とかしたいと思っている、高井優希です。
先日、エアクリ付近に温度センサーを設置し、吸気温度に近い温度を常に確認できるようにしてみました。
設置した日は終日曇り空で、気温も25~26℃くらいという涼しい日。風もやや強い日だったせいか、思っていたほどエンジンルームの温度が上がらず。
その後、風がほとんどない猛暑日一歩手前の日に、エアコンをガンガンかけて幹線道路を走ってみたところ、それなりに温度は上がりました。
しかし、その後にやってきた猛暑日に180SXのエンジンルーム内の温度を測ってみたら、レヴォーグよりもかなり高い温度でした。
温度計を設置する以前、猛暑日に出掛けたときなんかは特に、信号待ちからの走り出しでパワーダウンしている感じがあったし、エアコンをガンガンかけながらの走行中も、なんとなく加速がもたついているような気がしていたので、きっとエンジンルームの熱い空気を吸っているんだろうな、と思っていました。
しかし、猛暑日一歩手前とは言え、気温が上がった日に計測してみた結果を見ると、言われているほどレヴォーグのエンジンルームは熱くないんじゃないか、なんて思い始めていたところ。でも、そうは言っても少しでも新鮮な風を届けてあげた方がいいのは間違いない。
ギッチリ詰まったエンジンルームに、これ以上ダクト類を追加するのはちょっと難しそうなので、エンジンルームの熱気を抜いて、風が入りやすくなる対策を考えてみました。
フェンダーから空気を抜く
先ほども書きましたが、レヴォーグのエンジンルームはギッチリと詰まっていて、非常に空気の出入りがしにくそうな印象。
以前、友人のS13やR32などがやっていたように、ボンネットヒンジの固定ボルトにスペーサーをかませて少し浮かす、なんて対策もアリだとは思いますが、この方法はデメリットもあるので、できればそういった対策は最終手段にしておきたいところ。
となると、お金はかかりますが、レヴォーグやWRX用にラインナップされているクーリングパーツを取り入れてみるのもひとつの手。
そんなわけで、割と効果がありそうな、フロントフェンダー上から空気を抜くためのエアアウトレットダクトを導入してみることにしました。
実際に調べてみると、いくつかのメーカーから似たような製品が出ています。その中から、比較的納期が短くて、価格もやや抑えられている、チャージスピードの「フロントフェンダー(インナー)エアアウトレットダクト」をチョイス。
カーボンにも魅かれますが、価格差が約2万円。どうせボンネットを開けないと見えないパーツなのと、エンジンルームの青色を増やしたいという一心で、FRP黒ゲルに。これをWRブルーに塗れば、エンジンルーム内の青さがより増える…ニヤリ。
まずは塗装から
注文してから5日ほどで到着しましたが、ずっと雨が続いていたため、晴れた休日を待ってまずは塗装から始めます。
パッケージの外観は、細長くて何も書かれていない段ボール箱なので、写真は割愛。箱を開けてみると、中身はこんな感じでした。
左右のパーツそれぞれがクッション材に包まれ、その外側にビニールで梱包され、透明のテープでしっかり箱の内側に固定されています。これならどんなに雑に扱われても、箱の中で製品が動くことはないですね。
そして、箱の内側には注意書きが書かれた紙と、取り付け説明のコピーが、袋に入れられて貼ってありました。
製品を箱から出し、左右それぞれの梱包を解いてみると、黒ゲルで仕上げられた製品がこんにちは。
まるで塗装されているかのように光沢があって綺麗な状態ですが、ちゃんと塗装する必要があります。
写真の上部に、いくつかのスプレー缶が一緒に写っていますが、今回はこれらを使用します。まずは製品全体をシリコーンリムーバーで脱脂し、プラサフを吹いてから塗装、という順番。今回はWRブルーで塗装するので、クリアも用意しました。
塗装の前に、メッシュ部分を外します。
事前にクチコミで情報を仕入れていたので驚きませんでしたが、確かにメッシュの固定方法は雑ですね…。ここだけは丁寧さを全く感じられません。とりあえずくっつけておいたよ、というレベル。
まあ、どうせ塗装するのに一度は外すので、しっかり固定されているよりは外しやすくていいですけどね(笑)
ひとつのメッシュにつき4方向から固定されているので、ツメを広げながら外していきます。
メッシュを取り外したら、#400~#600くらいのサンドペーパーで塗装する面の足付けを行う…のですが、今回は時間と天候の関係で省略。
シリコーンリムーバー(またはワックスオフ等の脱脂剤)で丁寧に脱脂します。
そうそう。写真を見ていただければわかりますが、我が家には塗装に適した場所がありません。なので、風がない日にしか使えない、外水道の前が我が家の塗装スペースです(笑)
まずは、プラサフを吹きます。
外気温32℃。湿度40%前後。10分ほど置いたら、WRブルーで1回目の塗装です。
1回目は薄く、何となくプラサフの白が透けて見えるくらいで。15分ほど置いたら、2回目の塗装。
2回目でまんべんなく塗れたっぽい。もう1回吹いておきたいところですが、ちょっと雲行きがあやしくなってきたので、15分ほど置いたらクリアを吹いちゃいます。
15分ほど置いて、2回目のクリア。
ここから一晩くらい乾燥させれば大丈夫だと思います。乾燥したら、メッシュ部分を元に戻しますよ。
これで準備が整いました!いざ車両に取り付けますよ!
取り付け作業
ボンネットを開けたら、左右にあるフロントフェンダーカバーを取り外します。2ヶ所のプッシュピンクリップを外せば、フロントフェンダーカバーを外せるようになります。
取り外したフロントフェンダーカバーと、これから取り付けるフロントフェンダーエアアウトレットダクトの比較。純正のカバーは、できるだけ隙間が空かないような形になっていますね。
そして、フロントフェンダーカバーを外した車両側…うわ!カバーがあったのに意外に汚れてる!この際なので、キレイにしておきましょう。
フロントフェンダーカバーの代わりに、エアアウトレットダクトを取り付けます。スペースにあまり余裕がないので、塗装面にキズをつけないように気を付けて。
先ほど外したプッシュピンクリップ2個を再利用して固定したら、片側の作業完了。もう片方も同じように作業します。作業時間は左右合わせても5~6分程度でしょうか。非常に簡単です!
取り付けた後のエンジンルームはこんな感じになりました。
うーん、青さが増えて良い感じ!けど、ちょっと鮮やかすぎたかな。
これで空気の抜け道が増えたことになるのですが…純正フェンダーでもちゃんと空気が流れていくのかが不安。ダクト付きのフェンダーなら、かなりの効果がありそうですが。
試しに近場を走ってみる
効果があるのかどうかは、実際に走ってみればわかる!ということで試運転です。今回は遮熱版で遮られたエアクリ付近だけでなく、エンジンルームのヒューズボックス付近にも温度センサーを設置してみました。
エンジンからの熱の影響は、こちらのセンサーで計測します。
さて、気温は35℃を超えた猛暑日。天気は晴れ…というかカンカン照り。風はほぼ無し。日差しが強く、路面からの照り返しによる熱もあるので、前回の測定よりもエンジンルーム内の温度が上がりやすい条件での測定です。
エンジン始動直後
日向の青空駐車場で、エンジン始動直後の温度を測定します。ちなみに、上がエアクリ付近の温度、下がエンジンルームのヒューズボックス付近の温度です。
エアクリ付近の方が熱いようですが、ヒューズボックス付近に温度センサーを設置している間、エアクリ付近の温度センサーに直射日光が当たっていたので、そのせいかもしれません。
幹線道路を走行中
今回の測定はひとりで行ったため、走行中の写真が撮れませんでした。
幹線道路を走行中は、外気温が前回より高いこともあってか、下限はエアクリ付近が35.5℃、ヒューズボックス付近が44.5℃。60km/hくらいで平地を走行していたときの記録です。
信号待ちで温度が上がっていくのは前回同様で、エアクリ付近で50℃くらいまで、ヒューズボックス付近で60℃くらいまで上がることもあります。走り出すと、前回よりも速いペースで温度が下がっていくので、エアアウトレットダクトの効果が出ているのかも。
非常に大雑把ですが、60km/hで安定して走行している間のエアクリ付近の温度が30後半~40前半、ヒューズボックス付近が40後半~50前半くらい。
40~50km/hくらいだと、エアクリ付近の温度が40前半~40半ば、ヒューズボックス付近が50前半~50半ば。
40km/h以下だと、エアクリ付近の温度が40半ば~後半、ヒューズボックス付近が50半ば~後半、という結果でした。
普通に走行している分には、エンジンルームの温度はNAの180SXよりかなり低い温度をキープしているようです。こんなにギッチリ詰まったエンジンルームなのに、ね。
さいごに
ということで、フロントフェンダー(インナー)エアアウトレットダクトを取り付けて、さらにエンジンルームの温度を測定してみました。
この結果を見る限り、走行中にエンジンルームの温度を大きく下げてくれる効果が実感できたので、取り付ける価値はありそうです。もちろん、クールエアインテークとの相乗効果もあるかな。
そして、これは非常に自己満足の世界ですが、エンジンルームの青さUPという意味で、非常に大きな変化です(笑)
これで秋になり、冬に向かってしまうので、熱問題が顕著に出る時季ではなくなってしまいますが、来年の夏に向けて行っている熱気対策のつづき、ということで。
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