先日、180SXの運転席側シートをRECAROのSR-S BK100に交換しました。
その際、シートレールはN SPORTのものをそのまま使いました。RECAROもしくはBRIDEとの組み合わせでの強度試験証明書があるので、車検の問題はありませんし。
しかし、別のところで問題が発生しました。
この組み合わせでしばらく使用していたところ、毎回運転した後に、異常な疲労感があるのです。ちょうど、以前SPARCOのR100というシートを使用したときと同じような感じ。

せっかく念願だったRECAROのシートにしたのに、シートが体に合っていない訳でも無さそうなのに、腰痛持ちの友人なども絶賛していたRECAROなのに、なぜ…。
このまま疲労感を我慢して乗るのは厳しい。でもRECAROを無駄にしたくない。ダメ元で、シートレールをRECARO純正品に交換してみることにしました。
シートレールも受注生産状態
さっそくRECAROのシートレール(RECAROではベースフレームというようなので、以降RECARO純正レールをベースフレームと表記)で180SXの運転席に適合するものを検索し、スポーツフレームの「2081.089.2」を注文しました。
こちらもシートと同じく受注生産になっていて、納期が14日ほどかかるとのこと。最近の車種ならともかく、30年以上も前に生産終了した車なら、納期がかかってしまうのは仕方がないことです。
幸い、すぐに必要な状況でもなかったので、ゆっくり待つことにしました。
…そして、予定より1日早く、注文から13日目に到着。
ベースフレームへの交換作業
到着してすぐに交換したかったのですが、ちょうど花粉の飛散がひどい時期だったので、ある程度落ち着いてきた頃まで待ってから。
ベースフレームに交換する作業のうち、車両への着脱や、シートからの取り外し手順は、以前BE FREEのRS-5に交換したときや、RECAROのSR-S BK100に交換したときと同じ手順です。その辺の交換手順を詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ。


シートへベースフレームを取り付ける手順だけ、他のメーカーのレール取り付けとだいぶ様子が違ったので、後学のためにもメモメモ。
車両からシートを外し、シートからN SPORTのシートレールを外した状態からスタートです。
まず、ベースフレームの箱を開けると、ベースフレームの他に、大量の専用ボルト類、保証書や取り付け手順書が入っていました。
写真を見て分かると思いますが、RECAROのベースフレームは、フレームが左右分割されています。一瞬、フルバケ用と間違えて購入してしまったかと焦りましたが、RECAROのベースフレームはリクライニング用でもこういった分割タイプになっているよう。
ちなみに、取り外したN SPORTのシートレールはこんな形状。
それでは、RECAROのSR-Sにベースフレームを取り付けていきます。
シートベルトバックル固定用フレーム取り付け
まずは、シートベルトのバックル固定用フレームに、シートベルトバックルを取り付けます。シートベルトバックル固定用フレームはこれ。
使用するボルト類は、名前ラベルが貼られていない袋に入っているもののうち、以下の矢印をつけたもの。
矢印のものを使用し、取り付け手順書の通りにバックルを取り付けます。
シートベルトバックルをフレーム取り付けたら、先にこのフレームをシートに取り付けます。SR-Sで使用するボルト類は、六角穴付皿ボルトM8×25が2個、ミーリングスペーサー6mm厚が2個。
M8のボルトをフレームの穴に通し、フレームとシートの間にミーリングスペーサーを挟むようにします。このとき、ミーリングスペーサーの向きは、平らな面をシート側に、穴の周辺が少しだけ凹んでいる面をフレーム側にするようです。
シートのセンターコンソール側にフレームを固定します。
ベースフレーム取り付け
続いて、ベースフレーム部分の作業へ。
まずは、シートをスライドさせるためのバーを、左右のベースフレームに取り付けます。バー側の穴と、フレーム側の突起部分を合わせて、はめ込みます。
反対側も同様に。
これでベースフレーム側の準備が整いました。シートに取り付けていきます。以降、フロント側を上、リア側を下として説明します。
まずはセンターコンソール側から。
ベースフレームの上の穴と、先にシートに取り付け済のシートベルトバックル固定用フレームのネジが切ってある穴を、M8×10のボルトとワッシャ(どちらも名前シールが無い袋)で固定します。
ベースフレームの下側は2ヶ所固定します。
2ヶ所あるうち上側はM6×15のボルトとM6用ナット(どちらも名前シールが無い袋)、スプリングワッシャM6用で固定。
下側はM8用ナットとワッシャ(どちらも名前シールが無い袋)、M8×20ボルトで固定。
固定するとこんな感じ。
センターコンソール側はこれでOKです。
続いてドア側です。ドア側は、ベースフレームを直接シートに固定します。
上下2ヶ所を固定しますが、どちらもM8×20のボルトと、名前シールが無い袋に入ったワッシャを使います。
固定するとこんな感じ。
以上でベースフレームをシートに取り付ける作業が完了しました。
あとは車両に取り付けて、全ての作業が完了です。今回はシートレールを換えただけで、見た目の変化がほどんとないので、作業完了後の写真は割愛します。
試乗してみます
さて、スーパーローモデルと謳われつつも、SR-Sではほぼ純正と同じ座面の高さになってしまったN SPORTのシートレールから、RECARO純正のベースフレームに変わったことで、どんな違いがあるのかを確認してみます。
ちなみに、SR-S対応で、180SXで使えるRECARO純正のベースフレームは2種類ありました。
今回購入したのは、運転席側しか設定がないスポーツフレームの「2081.089.2」。シートにもよりますが、純正より座面が下がるタイプ。
もうひとつは、運転席側と助手席側の設定があるノーマルフレームの「2081.087.2(運転席側)」「2081.088.1(助手席側)」。純正より座面が上がるタイプ。
スポーツフレームを選んだので、多少は座面が下がるといいなー、なんて思っていましたが……体感でのN SPORTとの差は、若干低くなったかな、という印象。それよりも変化が感じられたのは、座ったときのすっぽりと包まれる感じと、心地良さ。
N SPORTのシートレールでも包まれる感じはあったものの、座った感じの心地良さが無かったんです。シートは少し硬く感じられるし、目線もやや高く、BE FREEのRS-5に何度戻したいと思ったか。
でも、RECARO純正のベースフレームにしたところ、座った感じが心地良いし、しばらく運転したあとも疲労感が全く無くなりました。
シートレールひとつでこんなに違うの!?
やはり、RECAROのシートにはRECAROのベースフレームが一番なんだな、と実感しました。そして、シートとレールが同じメーカーの組み合わせになったことで、間違いなく車検の心配は不要、という安心感が生まれた事も大きいですね。
さいごに
ということで、シートレールをRECAROのベースフレームに買い替えたことで、いろいろとハッピーになれました。
ひとつだけ勘違いして欲しくないのは、決して「N SPORTのシートレールがダメ、という事ではない」ということ。たまたま、RECAROのSR-Sと組み合わせた状態が自分の体に合わなかっただけで、誰もが同じように合わない訳ではありません。
現に、BE FREEのRS-5との組み合わせでは、とても運転しやすく疲労感も無かったので。
ただ、いくら強度試験証明書があるとは言え、シートレールがメーカー違いということで車検に対して若干の不安があったのも事実。5穴化にNGを出すような車検場ですからね…。(←何だかんだで結構根に持っている)
でも、これで間違いなく180SXの車検にまつわるシート問題は解決したことでしょう。
追記:車検用資料取り寄せ
さて、シートもレールもRECAROになったことで、このままでも車検で問題になることはないと思いますが…それでも不安だったので、車検用資料を用意しておきました。
RECAROシート単体、もしくはRECAROシートとRECAROレール(ベースフレーム)の組み合わせの場合、基本的にはオンラインのチャット形式で情報を入力していくことで、車検資料を自動送付してくれます。
必要な情報は、シートの製造番号、レールもRECAROの場合はレールの製造番号、そして車のメーカー名、型式、車名。
しかし、RECAROシートSR-S BK100単体ではオンラインの自動送付に対応していますが、180SX用スポーツフレームの「2081.089.2」との組み合わせは、オンラインでは対応していないようで、自動送付の対象外でした。
対応していないものは仕方がないので、レカロコールにお電話。
最初に業者かユーザーか聞かれるのでユーザーで。
続いて、車検は業者車検かユーザー車検か聞かれるので、資料を自分に送ってほしい場合はユーザー車検を受ける旨、回答します。業者に車検を依頼する場合は、車検用資料を直接業者宛にFAXもしくはメールで送ってくれるそうです。
ユーザー車検と答えると、どこの車検場でいつ頃車検を受ける予定かを聞かれます。最寄りの陸運支局と、だいたいでいいので車検を受ける時期を伝えましょう。○月中の予定です、くらいでOK。
その後、シートの製造番号、ベースフレームの製造番号を聞かれ、確認のためしばらく待ちます。
確認が取れた後、車のメーカー名の確認(ニッサン)、車名の確認(180SX)、車の型式の確認(E-RPS13)、使用者の名前の確認があり、最後に送付先メールアドレスを聞かれます。
通常、車検用資料はその日のうちに送ってくれるようですが、長期連休明けや、夕方に依頼した場合などは、翌日の午前中になってしまうこともあるようです。
一応、業者に車検をお願いする場合でもユーザー宛に送ってもらえるのか確認したところ、そもそも車検用資料はユーザー車検の場合に限り特例でユーザーに発行するもので、本来は業者向けにしか発行しない資料なんだそうです。だからなのか、ユーザー車検用としてお願いすると、宛名部分に「ユーザー車検 ○○様」と記載されます。
この質問をしたら、あからさまに声のトーンが低くなったので、ユーザー車検用というのは本当に特例で、あまり歓迎されないのかもしれません。
ちなみに資料の方は、昼前に電話してその日の15時頃にメールで送られてきました。PDFで17ページもあります。印刷して、車に入れておきましょう。
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